これから寒くなるとバッテリーが心配なんですが・・・
そうですね。普段からチェックしておくことが大切ですが、特に低温時には性能を十分に発揮できないのがバッテリーです。電解液の比重が下がって発電能力が落ちたり、寒さでエンジンオイルも粘度を増し、普段より始動に力が必要になるんですね。
バッテリーには寿命があるっていうのはお聞きしたんですけど、メンテナンスと交換の目安についてもう1度教えていただけませんか?
わかりました。この前言い足りなかった分も含めて説明してみます。
●ターミナルに腐食や汚れがないか ビニールのカバーが付いていることが多いと思いますが、たまにめくってみて内部を確認してください。腐食や汚れがあると接触不良や漏電の原因になります。ケーブルがしっかり接続されているかも確認します。 異常があれば拭き取ったり、ひどい場合は1度ケーブルを外してワイヤーブラシ等で磨きますが、日頃からバッテリーはきれいにしておいてくださいね。長持ちの秘訣です。 * 各種設定がリセットされてしまうことがあるので、ケーブルを外す際は事前にディーラー等にご確認ください。
●バッテリー液の量 バッテリーの側面に液量のレベルの目盛りがある物は、見ただけである程度わかります。車体に手をかけて揺すってみると液面が揺れて見やすくなります。 外から見ただけではわからない場合はバッテリーのキャップをコインなどで外して直接中を覗きます。不足していればバッテリー液を足します。(水道の水じゃダメですよ。)外したキャップをエンジンルームの中に落とさないように注意してください。 異常を知らせるインジケータが付いているバッテリーもありますので、確認してください。見方はたぶん本体に書いてあると思います。 * メンテナンスフリーのバッテリーはこの限りではありません。
●その他の異常 最近はメンテナンスフリーのバッテリーも多いのですが、膨らんだりひび割れなど外形に異常がないか見てくださいね。内部にガス(水素)が発生することもありますので、最悪の場合破裂や爆発という事故も起きています。
●異常を知らせる症状 エンジンのかかりが悪い(スタータが勢いよく回らない)、ライトが暗い(エンジン回転を上げると明るくなる、アクセルを戻すと暗くなる)などの症状は、ほとんどがバッテリーの異常によるものです。 * 塀などに向かって車を停め、ライトを点けてアクセルを踏んだり戻したりするとよくわかります。
日常できるのはこれぐらいだと思いますが、内部の極板の異常やバッテリー液の比重などはなかなか確認が難しいので、ガソリンスタンドやディーラーなどでついでの時に診てもらうと良いと思います。 バッテリーには寿命があり、充放電を繰り返すと徐々に性能が落ちてきます。走行条件にもよりますが、車検や定期点検の時に交換するのも良いと思います。
* バッテリーは取扱注意です!作業するときは十分に注意してください。
●バッテリー液の量 液量のチェックについては先ほどもお話ししましたが、バッテリー側面の液量レベルの目盛りやインジケータで確認して下さい。 電解液(バッテリー液)は、電気分解や自然蒸発で何もしなくても減っていきます。液不足はバッテリーの劣化を早め、破裂事故にも繋がりますので、普段から気を付けることが大切です。
液が減っていたら専用のバッテリー液を補充します。水道水 は不純物を含んでいることが多いので使用しないで下さいね。極板の腐食の原因になったり、放電量が大きくなりすぎて寿命に影響することもあります。
また最高液面線(UPPER)以上に補充すると、振動などで液があふれて周囲を損傷させたり、バッテリー液に含まれる希硫酸の濃度・比重が下がってしまうことがあるので要注意です。
補水後は液漏れしないようにキャップをしっかり締め付けて、固く絞った布で清掃して下さい。 ※乾いた布は使わないでください。水素ガスを発生していることがあり、静電気の発生で引火/爆発の危険があります。
* メンテナンスフリーのバッテリーはこの限りではありません。
●バッテリーの充電について 通常は車載の状態でオルタネータからの充電で十分ですが、あがってしまった場合など、何らかの理由で充電器で充電することもあります。 ただ、強い電流で短時間で一気に充電(急速充電)するとバッテリーを痛めてしまうことが多いので、必要な場合は専門店等に相談するのがいいでしょう。
●長期間車を使用しない場合 車を使用しない間にも時計やCD・カーナビ等のバックアップ電源としてバッテリーは常に使われています。これを暗電流と言いますが、バッテリー自体の自己放電もありますからいずれはバッテリーあがりを招いてしまいます。 これを防ぐためには2週間に1度位はエンジンをかけて充電してやればいいのですが、できない場合はバッテリーのマイナ スターミナルを外してしまいます。放電を極力防止すると長持ちするわけですね。
なるほど。。。私の車はもう2年ぐらいバッテリーを交換してないんですけど、そろそろ換えた方がいいですか?
そうですね・・・。一般的には2〜3年が交換の目安と言われますが、使用条件でかなり差が出ますので、自分で判断するしかないんですね、実は。 寿命が来ているかどうかは専門的なチェックが間違いないところですが、以下の点などを参考に早めに交換に踏み切るのも、快適なカーライフということからすれば良いんじゃないでしょうか?
●エンジン始動時 ・スターターが元気に回らない ●ライトやホーンの具合 ・アクセルの加減でヘッドライトの明るさが変わる ・ホーンの音がいつもに比べ低い ・パワーウィンドウの開閉が遅い ・バッテリー液は十分入っているのにライトが暗い ●バッテリーの状態 ・バッテリー液の減りが早い ・バッテリー液の減り方が各セルで偏っている ・充電しても比重が上がらない ・すぐにバッテリーが弱くなる ●使用状況その他 ・1年以上、車を使用していない ・過去に何度かバッテリーあがりの経験がある |
ライトを消し忘れちゃって、どうもバッテリーがあがったみたいなんですけど・・・
ブースターケーブルという物を使って近くの車から電気を借りることができます。バッテリー同士をつないでエンジンをかける方法です。
よく聞きますけど、やり方がよくわからないので教えてください。自分でできるかしら?
はい、1度覚えてしまえば簡単ですが、いくつか注意点があります。 まず一般の乗用車のバッテリーは12Vです。小型の物をのぞいてトラックなんかは24Vの物が多いですから気を付けて、必ず12Vの車を相手に選んでください。(ガソリン/ディーゼルは関係ありません。) 次にブースターケーブルですが、なるべく太い物を用意してください。できれば鉛筆より一回り太いぐらいの物が良いですね。
よく牽引ロープなんかとセットで売っていますよね?ついついお買い得と思っちゃうんですけど・・・。
最近の車はバッテリーの容量も大きくなっているので、あまり細いケーブルだと通電が不十分で熱ばかりもって肝心のエンジンがかからないことがありますから気を付けてくださいね。
実際の手順を教えてください。
ブースターケーブルは赤黒2本セットになっています。ケーブルの届く位置に車を停めて、以下の手順で作業します。
赤ケーブル:故障車の+ → 救援車の+ 黒ケーブル:救援車の− → 故障車の車体金属部
【接続】接続時の4番、取り外し時の1番の「フレーム」は車体のことです。理屈から言うとバッテリーのマイナスターミナルでもいいのですが、ショートさせないためにバッテリーから離れている場所に繋ぎます。エンジンブロック(フック)等がいいでしょう。 特に接続時の4番は火花が飛んで、メンテナンスの悪いバッテリーだと水素が発生している場合もあり、引火する危険もありますから守ってください。
【エンジン始動】接続がすんだら救援車のエンジン回転を少し上げた状態(2000回転ぐらい)で故障車のエンジンをかけます。 かからないときは10分ぐらいそのまま待って、もう少し回転を上げて再度試してください。
【取り外し】エンジンがかかったら、接続時と逆の順序でケーブルを取り外します。(すぐに外しても大丈夫です。)
* 始動後はオルタネータによる十分な充電が完了するまでエンジンを止めないようにしてください。アイドリング状態では充電が不十分ですから、できれば30分ぐらい、その辺をドライブしてくると良いですね。 * 接続は「こわごわ」やるとかえって火花が飛んだりしますので、「思い切って」1回でスパッと繋いでくださいね。 * 接続・取り外し時はケーブルのクリップ同士や、クリップが車体の金属部に絶対に触れないように注意してください。ショートすると大変です。
わかりました。わりと簡単なんですね! でも、近くに車がないときはどうすればいいんですか?
JAFや私達のようなサービス店を呼ぶということもできますが、エンジンスターターという商品も出ています。近くに電源が無くてもタワー駐車場なんかの狭い場所でもエンジンを始動できる物で、JAFや私達も持っています。小型で性能のいい物もありますので、トランクに用意しておくと安心かも知れませんね。 |
急にエンジンがかからなくなっちゃって・・・
最初にエンジンをスタートさせるのは電気の力です。関係する主なパーツは以下の通りで、どれか1つに不具合があってもエンジン始動ができなくなります。
・バッテリー:車の電源です。大きな電池と考えればわかりやすい? ・スターター:エンジンを始動させる、モーターです。バッテリーの電気で作動します。 ・プラグ:エンジン内で燃料に着火させるための火花(スパーク)を飛ばします。
この他にオルタネータというパーツがあり、エンジン始動には必要ありませんが、要するに発電器です。全ての電気をバッテリーから供給するとあっという間に空になってしまいますから、走行中にバッテリーを充電します。このパーツが故障するとバッテリーあがりを引き起こします。
で、実際エンジンがかからなくなったらどうすればいいの?
どこが悪いか見極めるのはなかなかむずかしいのですが、次のことを確かめてみてください。
・なんとなく弱々しい音で回りかけているような気はする →バッテリーが弱っています。 ・「カチッ」という音がしてあとはウンともスンともいわない →1)バッテリーが空、2)スタータの故障のどちらかです。 ホーンを鳴らしたりヘッドライトを点けてみて異常がなければスタータの可能性が高いです。 ・スタータは勢いよく回るがエンジンがかからない →プラグの異常が考えられます。
悪いパーツを交換ないし修理しますが、あわててバッテリーを換えても本当に悪いのはオルタネータかも知れず、まずは原因の究明が大切です。ご自分でできないことも多いと思いますので、お買い求めのディーラなどに連絡してください。お近くでしたらカーデンソーネット加盟店でも承ります。 |
バッテリーを交換したらパワーウィンドウが変なんですけど!(汗
それはたぶんオート機能が解除されたからですね。 どんな症状ですか?
なんだか自動で閉まらないし、運転席から他のドアの窓を操作できないみたいなんです。
なるほど、わかりました。確かホンダ車でしたね。 それでは次の手順でオート機能の回復を図ってください。
1.エンジンをかけます。 2.ドアガラスを1度1番下まで下げます。 3.次にスイッチを引き上げ続け・・・ 4.ウィンドウを閉め切った状態で、 5.約1秒間、指を離さずにそのまま保持します。
これでオート機能が回復します。
これを各ドアごとに行います。 |
ウワッ、なおりました! こんな裏技があったんですね♪
裏技というほどでもないんですが・・・(汗 他にもいろいろ設定のし直しをしなければならないケースがありますので、ご自分でバッテリー交換をする場合は気を付けてくださいね。
わかりました。 例えばどんなことがあるんですか?
はい。時計やラジオのセッティングなんかはよく知られていますけど、そのほかにも車種やグレードによって色々あります。
トヨタ/アイドルストップシステム バッテリー交換後はクラッチ初期学習が必要です。方法はディーラーへ。
三菱/マルチコミュニケーションシステム(MMC) バッテリー交換後表示がリセットされ異常値を示します。正常値にリセットする方法はディーラーへ。
等々 |
なるほど・・・ 故障したわけではないので、あわてずに対処するということですね。 具体的に方法は教えてくれないんですか?(¬¬
スミマセン、車によっていろいろですので、ディーラーさんに聞いてみてください(汗 あ、それと・・・ もしかしたら気が付かずに済んでしまうかもしれませんが、多くの車に採用されている「エンジンコントロールコンピュータ(ECU)の学習機能」があります。
コ、コンピュータですか?(不安
はい。そうたいしたことではありません(笑
バッテリー交換時にバックアップを取らなかった場合、それまでのエンジン調整データが消失し、初期設定にリセットされます。このため交換後エンジンスタートした際にアイドリングが安定しないことがあります。
その場合は10〜20分程度アイドリングを続けることによって学習機能が働き、元の調整状態が復元されます。 |
な〜んだ、簡単ですね♪ よーし、これでバッテリー交換ならいつでも来いだわっ!
そ、そうですね。 (そんなにしょっちゅう交換しないと思いますが・・・) |
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これから寒くなるとバッテリーが心配なんですが・・・
そうですね。普段からチェックしておくことが・・・
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ライトを消し忘れちゃって、どうもバッテリーが・・・
ブースターケーブルという物を使って近くの車から
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急にエンジンがかからなくなっちゃって・・・
最初にエンジンをスタートさせるのは電気の力です。
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バッテリーを交換したらパワーウィンドウが変なんですけど!?
それはオート機能が解除されたからです。
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* car-denso.net/Lady'net(女性のための電装講座)より抜粋 |